二番手で良い「恋愛」

塾のある地域は、東京でも環境の良い住宅街であり、教育に関しても”意識レベルの高いご両親”が多い。 10人の生徒がいれば、一人は母子家庭で、もう一人は父子家庭であったりしますが。 当塾のホームページを見れば、”普通の塾”でないことはすぐ分かることで、そういうこともあり、モンスターパーレントなる恐ろしい親はまず訪ねて来ない。 家庭環境においても、恵まれた子供たちなのだと思います。

50年も塾長を続けていれば、「えっ!こんな子もいるんだ・・」ということが少なからずありました。 高1男子でしたが、引き籠ってどうにもならないような状況で、朝起きないし食事もしない、風呂には入らないし・・というところまで行き、入院はしたくないし、カウンセリングを受け、薬を服用するだけで、何とか家庭で療養ということになってました。 そうなったとき、どのようなリハビリを組めばよいかということになり、片道1時間半かけて当塾に母親が付きそういながら、通って来ることになります。 当塾でも、普通に学校に通いながら来塾する子の方が多いわけですし、彼だけを特別扱いすようなことしません。

週2ペースで通ってきてたのですが、ひと月が過ぎるころ、母親の付き添いなして通って来れるようになりました、それも、片道1時間半もかけて。 外に出て歩くことによって、体力も戻り、睡眠もちゃんととれるようになったのでしょう。 ひ弱な印象はありましたが、普通に学校に戻れる状態になってきたわけです。 ですが、いったん行かなくなった学校へ復帰することはその子にとってはかなりハードルが高く、それなら、無理をせず大検をとらせるような指導していこうとご両親と本人と私が決めました。 無事大検をパスし、大学へも通うようなったわけですが・・。 

彼からいろいろと当塾の話を聴いていたのでしょう、彼には付き合う女子が出来たわけですが、その彼女が当塾を一人で訪ねてきて、彼の言うことがどうしても理解できなくて困って相談に来たのです。 その彼女は彼に夢中で、それはそうで、彼はハンサムで、その上、誠実で優しい青年になっていたわけですから。 彼が彼女に言うには「僕は君に相応しい相手ではないので、君に相応しい相手が出来た時の”二番手”でよい・・」というようなことを言ってるということでした。 彼には、私が彼女に会ったことは言わずに、「そろそろ、好き子でもできたかい?」というメールを送ったら、「大好きな子が出来たのだけれど、その女性に自分が相応しくないと思い、悩んでる」という返信でした。 

独占欲がない・・というようなレベルの話ではなく、”二番手”で良いということが私にも理解できなくて、「気後れすることはないよ、こういう時は躊躇ったらダメだからね」というエールも送りましたが、”進展”してる様子もないのです。 その後のメールでも「相応しくないと思うなら、相応しい君になればよいじゃないか!」とも伝えたのですが、そういう言い方は彼には全く”響かず”、終いには返信してこないようになりました。ドーパミンの分泌量の不足とかもあるのでしょうが、”二番手”で良いという状況に甘んじることは、失恋することもなければ、何らかの責任を強いられることもなく、痛いことにもならないわけです。 でも、年齢を考えれば、好奇心を満たされることも永遠にないわけですから・・。 

投稿者:

xs136481

個人経営で個別指導塾 塾長を50年続けてきました。 駅前で大手がひしめく中、運営してくことの難しさと個人経営であるが故の多様な在り方を実践してこれたことへの自負とがあります。 学習塾とはどうあるべきか、親は子へどのような接し方が”理想・現実”であるのか、ここにはすべて塾長の本音を記していきます。 そして今、老年期を迎え、「楽しく生きること」への模索を綴ってます。

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