「悩み 子育て」理解することは出来ても記憶することが苦手

「理解することは出来ても記憶することが苦手です」という問題に対して、塾長が親御さんや生徒に分かりやすく説明するためには、まず、学習の基本的なプロセスを整理し、その中で記憶の役割について理解することが重要です。

理解と記憶の違い

理解とは、情報を自分の中で整理し、他の概念や知識と関連づけることを指します。一方で、記憶は、その情報を脳の中に定着させ、後から思い出せるようにするプロセスです。多くの生徒は、「理解」まではできるものの、それを「記憶」することに苦労することがよくあります。これは決して珍しいことではありません。

記憶が苦手な理由

記憶するのが苦手な原因は個々によって異なりますが、一般的には以下のような理由が考えられます:

  • 復習の不足:理解しただけで満足し、復習をしないことが原因です。脳は新しい情報を一度だけで長期的に記憶することは難しいため、何度も繰り返し復習することが重要です。
  • 記憶の方法が合っていない:自分に合った記憶法を見つけられていない可能性もあります。例えば、視覚的に覚えるのが得意な生徒もいれば、音声的に覚える方が効率的な生徒もいます。
  • 集中力の欠如:理解はできても、記憶するための集中力が欠けていると、情報が定着しにくくなります。特に長時間同じことを記憶しようとすると、集中力が続かず、効率が下がってしまうことがあります。

記憶の効果的な方法

この問題を解決するためには、生徒に合った記憶法を見つけ、効果的に取り入れていくことが大切です。以下にいくつかの具体例を挙げます。

1. 繰り返し復習する

理解できた内容を記憶に定着させるためには、何度も繰り返し復習することが不可欠です。例えば、授業の後や宿題の後に一度復習し、その後1週間以内に再度見直すことで、短期記憶を長期記憶へと転換させることができます。これはエビングハウスの忘却曲線という理論でも示されています。短期的には忘れてしまうことが多いですが、復習を続けることで、少しずつ記憶が安定してきます。

2. 関連付けて覚える

単純に情報を丸暗記するのではなく、既存の知識や日常生活の経験と関連付けることで、記憶しやすくなります。例えば、歴史の年代を覚える際に、その時代の出来事や有名人を自分の興味と結びつけてみると、より記憶に残りやすくなります。

3. 視覚的・聴覚的に覚える

人それぞれ、情報の受け取り方には違いがあります。視覚的な情報を通じて覚えるのが得意な生徒には、図や表、マインドマップを活用することが有効です。例えば、数学の公式を覚える際に、公式の図解を使ってその意味を視覚化することで、より理解しやすくなり、記憶にも残りやすくなります。また、音読が効果的な場合には、テキストを声に出して読んでみるのも良い方法です。自分の声で情報を耳に届けることで、聴覚的な記憶が強化されます。

4. アウトプットを重視する

記憶するだけでなく、それを実際に使ってみることが記憶の定着に大きな効果を与えます。たとえば、友達にその内容を教えてみる、または自分で問題を解いてみることが有効です。「他人に教える」ことを意識すると、自然と理解が深まり、記憶も強化されます。

具体例:歴史の暗記を効率的に行う方法

例えば、歴史の授業で「鎌倉時代の出来事」を覚える際に、単に年号や出来事を暗記しようとするのではなく、当時の社会や文化、武士の生活などの背景を理解し、その中で出来事を位置づけてみると、覚えやすくなります。また、「1185年に壇ノ浦の戦いがあった」という情報だけではなく、その戦いがなぜ重要なのか、何がきっかけだったのかを理解し、それを日常の話題や興味のあることと結びつけてみましょう。

記憶が苦手な子どもへのサポート方法

親御さんができるサポートとしては、まず、お子さんがどのような方法で覚えるのが得意なのかを一緒に探すことが大切です。上記で述べたような視覚的、聴覚的、アウトプット型のアプローチを試してみて、どれが一番効果的か確認しましょう。また、過度なプレッシャーをかけず、少しずつ覚える習慣をつけるようにサポートすることが重要です。例えば、家族で日常の会話の中で勉強の内容に触れてみるのも良い方法です。歴史の話題や学校で習った内容を話し合うことで、自然に復習ができ、記憶に残りやすくなります。

メンタルケアの重要性

最後に、記憶が苦手なことに対して自信を失ってしまう生徒もいます。そのような場合、親や塾の指導者がポジティブなフィードバックを与えることが大切です。「記憶できない」というネガティブな思考に囚われるのではなく、少しずつ覚えていくプロセス自体を楽しむようにサポートすることで、学習意欲が維持され、結果として記憶力も向上していきます。

このように、理解はできても記憶が苦手な生徒に対しては、親と塾が協力して、それぞれの記憶の特性に合ったアプローチを模索し、徐々に学習の成果を上げていくことが可能です。時間をかけて、少しずつステップアップすることを目指しましょう。

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個人経営で個別指導塾 塾長を50年続けてきました。 駅前で大手がひしめく中、運営してくことの難しさと個人経営であるが故の多様な在り方を実践してこれたことへの自負とがあります。 学習塾とはどうあるべきか、親は子へどのような接し方が”理想・現実”であるのか、ここにはすべて塾長の本音を記していきます。 そして今、老年期を迎え、「楽しく生きること」への模索を綴ってます。

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