「子育て相談箱」小学生の時点で英語はどこまでできればよいか？

小学生の時点で英語はどこまでできればよいか？

近年、英語教育の重要性がますます高まっており、多くの親御さんや生徒さんが「小学生の時点で英語はどの程度までできれば良いのか？」という疑問を抱くことが増えています。塾長として、英語の目標を考える際に大切なのは、単に文法や単語を暗記することではなく、「英語を通じてどのような力を育てるか」を見据えることです。

1. 英語学習の目的を考える

まず、英語を学ぶ目的を明確にすることが大切です。現代の社会において、英語は単なる「教科」ではなく、コミュニケーションツールや将来のキャリアに役立つスキルとして位置づけられています。そのため、学び始める段階での目標としては、将来的に英語を「使える力」にすることが求められます。小学生の時点では、以下の3つのポイントを目安に学習を進めると良いでしょう。

1.1. 英語への抵抗をなくす

まずは、英語を身近に感じることが重要です。外国語に対する抵抗感を減らし、英語を楽しく学べる環境を作ることが小学生の段階では大切です。具体的には、英語の歌やアニメ、絵本などを通じて自然と耳に馴染むようにすることや、日常生活の中で簡単な英単語を使う機会を増やすことが効果的です。これにより、英語に親しみを持ち、言語に対する興味を育むことができます。

例えば、親子で英語の絵本を読むことや、子供が興味を持つアニメを英語で視聴することなど、日常生活の中で「楽しく」英語に触れる時間を設けることは非常に効果的です。

1.2. リスニングとスピーキングを重視する

次に、小学生の段階では、リスニングとスピーキングのスキルを伸ばすことが大切です。この段階での英語教育は、将来的なコミュニケーション能力を育てる基礎を築くことが目標です。英語の音に慣れ、簡単なフレーズを使って挨拶や自己紹介ができるようにすることが目指すべきゴールです。

具体的には、以下のような目標が挙げられます。

日常的な挨拶や簡単な会話ができるようにする（例：「Hello!」「How are you?」「I’m fine, thank you.」など）。
自分の名前や好きなものを簡単に紹介できるようにする（例：「My name is ～.」「I like apples.」など）。
簡単な命令や質問に応答できる（例：「Sit down, please.」「What’s your name?」など）。

このようなスキルは、学校や塾の英語授業だけでなく、家庭でも積極的に練習できます。たとえば、日常会話の一部を英語で行うことや、家族で英語の言葉遊びをするなど、楽しみながら学習を進めることが大切です。

1.3. 語彙力と基本的な文法の習得

もちろん、基本的な単語や文法の理解も欠かせません。しかし、小学生の段階での文法学習は、あまり厳密にしすぎない方が良いでしょう。この段階では、主に「主語＋動詞」の基本的な文型に慣れることが大切です。具体的には、肯定文・否定文・疑問文の作り方を学び、簡単な文章を作る力を養います。

具体的な例としては、

「I am a student.」のような自己紹介文。
「I like soccer.」のような自分の好きなものを伝える文。
「Do you like apples?」のような簡単な質問を理解し、答えられることが目標です。

単語に関しては、日常生活に関連するものから覚えるのが良いでしょう。たとえば、動物、食べ物、日常の行動（run, eat, playなど）といったものから始めると、学びが実生活に直結し、覚えやすくなります。

2. 学校の英語教育との連携

次に考慮すべきなのは、学校での英語教育との連携です。現在、多くの小学校では英語が必修化されており、授業では主にリスニングやスピーキングに重点が置かれています。学校のカリキュラムを補完する形で、自宅や塾での学習を進めると効果的です。

たとえば、学校で習ったフレーズや単語を家庭で復習したり、塾で学校での授業を振り返る時間を設けることができます。小学生のうちは「繰り返し」が非常に重要ですので、同じフレーズや単語を何度も耳にし、実際に使ってみることが大切です。

3. 英語を通じた好奇心と自信を育む

最も大切なのは、小学生の段階で英語を「学ぶ喜び」を感じてもらうことです。目標は、英語を完璧に話せるようになることではなく、英語に対して自信を持ち、楽しんで学ぶことです。そのためには、成功体験を積み重ねることが重要です。たとえば、英語で自己紹介ができた、英語で外国人と挨拶できたなど、小さな成功を繰り返し経験させることで、子どもたちの自信を育てます。

また、好奇心を刺激するような活動を取り入れることも効果的です。たとえば、英語で海外の文化や習慣を学んだり、英語圏の子供たちが遊ぶゲームや歌を取り入れたりすることで、学びが広がり、自然と英語への関心が高まります。