「子育て相談箱」中学受験:行きたい学校が特にない

中学受験を考える多くの家庭では、子ども自身が行きたい学校を見つけて受験に向けて取り組むことが理想的です。しかし、すべての子どもが初めから行きたい学校や具体的な夢を持っているわけではありません。「行きたい学校が特にない」と感じている子どもを持つ保護者にとっては、どのようにして子どもを導いていくべきか悩むことも多いでしょう。

1. 子どもの好奇心を引き出す

まず大切なのは、子どもの興味や関心を探り出すことです。行きたい学校がないというのは、必ずしも学校に対して関心がないというわけではなく、自分が何に興味を持っているのか、どのような環境が自分に合うのかがまだ分かっていないということも多いです。親としては、子どもがどんなことに興味を持っているのか、学校で何を学びたいのか、未来にどのような姿を描いているのかを一緒に話し合い、共有することが重要です。

たとえば、好きな教科やクラブ活動、趣味を通じて子どもの興味を掘り下げてみることが効果的です。子どもがどんなことに楽しさや充実感を感じているかを知ることで、その延長にある学校や環境を見つけやすくなります。学問だけでなく、スポーツやアート、音楽など、さまざまな分野に目を向け、子どもの好奇心を引き出すきっかけを作ることが大切です。

2. 学校見学やオープンスクールに参加する

行きたい学校がない理由として、実際に学校を見たことがない、もしくは学校の雰囲気や具体的なイメージがつかめていない場合があります。そのため、できるだけ多くの学校を見学し、子どもにさまざまな選択肢を提示することが有効です。学校説明会やオープンスクールに参加することで、校風や授業の内容、生徒たちの様子を直接目にすることができ、実際の学校生活に対して具体的なイメージが湧いてきます。

見学を重ねる中で、子どもが「この学校なら楽しそう」「ここで学びたい」と感じる学校が見つかることも少なくありません。見学の際には、親が一方的に良い学校だと判断するのではなく、子ども自身がどのように感じたか、どの学校に対して興味を持ったのかを尊重し、意見を聞くことが重要です。

3. 学校選びの視点を広げる

中学受験で行きたい学校が見つからない場合、学校選びの視点が偏差値や有名校に偏っていることが原因であることもあります。子どもにとって本当に合う学校は、必ずしも偏差値が高い学校や、評判の良い学校だけではありません。学校ごとに異なる教育方針や特徴があるため、学びたい内容や環境、クラブ活動など、より広い視点で学校を探してみることが大切です。

たとえば、国際教育に力を入れている学校や、特定のスポーツや芸術に特化した学校、または自由な校風を大切にしている学校など、さまざまな特色を持つ学校があります。子どもの興味や個性に合わせた学校を見つけるために、偏差値以外の要素にも注目してみましょう。

4. 無理に押し付けない

親としては、子どもに良い学校へ進んでもらいたいという思いから、時には子どもに学校選びを強要してしまうこともあります。しかし、無理に「この学校に行きなさい」「この学校が良い」という形で学校を押し付けてしまうと、かえって子どもは受験に対して反発心を持ったり、興味を失ってしまうことがあります。

子どもが学校選びに積極的でない場合、まずはその気持ちを理解し、無理に押し付けず、時間をかけて一緒に考えていくことが大切です。学校選びは子ども自身の未来に大きく関わるものですから、最終的には子ども自身が納得できる選択をすることが重要です。親としては、あくまでサポート役として、子どもが自分で決められるように導く姿勢が求められます。

5. 時間をかけて考える

行きたい学校がないと感じている子どもに対しては、焦らずに時間をかけて考えることも大切です。中学受験のタイミングはそれぞれの家庭で異なりますが、無理に急いで決めるのではなく、ゆっくりと学校選びを進めていくことで、子ども自身が少しずつ意識を高めていくことができます。

また、子どもがまだ受験に対してモチベーションが湧かない場合は、焦って受験を決めるのではなく、将来的な選択肢として受験を視野に入れつつ、学校生活を楽しみながら考える余裕を持たせることも一つの方法です。最終的に受験を選ばない場合でも、子どもにとっての最適な道を見つけることができれば、それが成功と言えるでしょう。

6. 未来を考えた学校選び

最後に、行きたい学校がないという状況を解決するためには、子ども自身の未来を見据えた学校選びをサポートすることが重要です。短期的な偏差値や受験の合否だけにとらわれるのではなく、子どもの将来の可能性を広げる環境を選ぶことが大切です。

たとえば、どのような職業に就きたいのか、どんな分野で活躍したいのかを一緒に話し合い、それに向けてどのようなスキルや知識を身につける必要があるのかを考えることが学校選びの指針となります。子どもが自分の将来を具体的に考えることで、行きたい学校や目指すべき目標が少しずつ見えてくるでしょう。

まとめ

「行きたい学校が特にない」という状況に直面している子どもと保護者にとっては、焦らず、じっくりと子ども自身の興味や関心を見つけることが鍵となります。偏差値だけにとらわれず、子どもの個性や未来を大切にした学校選びをサポートすることで、最終的に子どもが納得し、充実した学校生活を送れる環境を見つけられるでしょう。

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個人経営で個別指導塾 塾長を50年続けてきました。 駅前で大手がひしめく中、運営してくことの難しさと個人経営であるが故の多様な在り方を実践してこれたことへの自負とがあります。 学習塾とはどうあるべきか、親は子へどのような接し方が”理想・現実”であるのか、ここにはすべて塾長の本音を記していきます。 そして今、老年期を迎え、「楽しく生きること」への模索を綴ってます。

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