「子育て相談箱」周囲に流されやすく、                       自己主張がない

「周囲に流されやすく、自己主張がない」という子どもを持つ親にとって、心配になるのは当然です。こうした子どもが成長していく中で、自分の意見を持ち、他人に影響されずに行動できるようにサポートすることは重要です。しかし、焦らず、慎重に対応することが大切です。親として、まずはどのようなサポートが必要かを理解し、子どもが自己主張を学び、自分を強く持てるような育成環境を整えることが求められます。

1. 子どもの性格や特性を理解する

まず最初に、子どもの性格や特性を理解することが重要です。「周囲に流されやすい」「自己主張がない」というのは、必ずしも欠点や弱点ではありません。多くの場合、こうした特徴を持つ子どもは、他人の感情や意見に対して非常に敏感で、共感力が高いことが考えられます。周囲に合わせることで人間関係をスムーズに保つ能力を持っているとも言えます。この特性を肯定的に捉えながら、子どもが成長していく過程で適切なバランスを見つけられるように、親はサポートをすることが大切です。

一方で、自己主張が弱いと、他人に流されやすく、自分の意見を持てずに困難な状況に陥る可能性もあります。このため、子どもが自分の意見をはっきりと表現できるようなスキルを育てる必要がありますが、これを性急に求めるのではなく、子どもの性格に寄り添いながら進めるべきです。

2. 安心できる家庭環境の構築

子どもが自分の意見を持つためには、まず家庭が安全で信頼できる場所であることが重要です。自己主張ができない子どもは、家族に対しても自分の意見を伝えるのが苦手なことがあります。そのため、親は子どもが話しやすい環境を整え、安心して自分の考えを表現できるようにしましょう。

具体的には、家庭内でオープンなコミュニケーションを心がけることが大切です。子どもが何か言いたいことがある場合、途中で遮ったり、否定したりせず、最後まで話を聞いてあげることが重要です。また、意見を表現することに対して、どんなに小さなことでも褒めてあげることで、子どもは自分の考えを表現することに自信を持つようになります。

3. 小さな成功体験を積み重ねる

自己主張ができるようになるためには、成功体験が不可欠です。子どもが自分の意見を伝え、それが周囲に受け入れられたり、尊重されたりする経験を積むことで、自分の意見を表現することに自信を持つようになります。最初は小さな場面で構いません。例えば、家族の夕食を決めるときに子どもに意見を求め、それを尊重するなどの簡単な場面で、自分の意見が反映される体験をさせることが効果的です。

また、学校や友人関係においても、子どもが自分の意見を表現できるような場を作ることが重要です。例えば、学級会やグループ活動で意見を求められる場面があれば、子どもが参加するように励まし、成功体験を積む機会を提供しましょう。

4. 模範となる姿勢を見せる

親自身が自己主張を大切にし、自分の考えを尊重する姿勢を見せることも重要です。子どもは親の姿を見て学びます。親が他者の意見に流されず、自分の意見を持ちながらも周囲との調和を大切にする姿を見せることで、子どもも自然とその姿勢を学びます。

ただし、親が強引に自己主張を押し通す姿勢を見せるのではなく、他者の意見に耳を傾けながらも、自分の意見を大切にするバランスを示すことが大切です。これによって、子どもも自己主張の仕方を学び、周囲と協調しながら自分の意見を大切にする方法を身につけることができます。

5. 自己肯定感を高める活動を支援する

自己主張ができない子どもの多くは、自分に自信がない場合が多いです。自己肯定感が低いと、他人の意見に依存しがちになり、自分の考えを持つことが難しくなります。したがって、子どもの自己肯定感を高めるための活動を支援することが重要です。

例えば、子どもが興味を持つ分野で成功体験を積ませることや、得意なことを見つけて伸ばすサポートをすることで、自己肯定感を育むことができます。また、失敗したときにも温かくサポートし、失敗を恐れずに挑戦する姿勢を育てることが、自己主張を促進する助けとなります。

6. 自己主張のトレーニングをサポートする

自己主張は、練習を通じて身につけることができます。子どもに対して、日常的に自分の意見を表現する機会を提供し、それを褒めることが大切です。たとえば、家族会議を開いて、日々の出来事について意見を出し合う習慣を作ることも一つの方法です。また、友達とのやり取りにおいても、親がサポートしながら、子どもが自分の意見を表現できる場を提供することが重要です。

さらに、子どもが自分の意見を言う際には、親がフィードバックを与え、どのように言えば相手に伝わりやすいか、どのように言葉を選ぶべきかなど、具体的なアドバイスをすることも有効です。自己主張は、一朝一夕で身につくものではありませんが、日々の練習を通じて徐々に育まれていくものです。

7. 最後に:焦らず、子どものペースに合わせる

最後に、自己主張を身につけるには時間がかかることを理解することが重要です。特に、周囲に流されやすい子どもは、慎重に自分のペースで成長していくタイプかもしれません。焦らずに、子どものペースに合わせて、サポートしていくことが親として大切な姿勢です。

そのためにも、親自身も焦りや不安を感じたときには、自分を見つめ直し、冷静に対処できるように心の準備を整えることが必要です。

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個人経営で個別指導塾 塾長を50年続けてきました。 駅前で大手がひしめく中、運営してくことの難しさと個人経営であるが故の多様な在り方を実践してこれたことへの自負とがあります。 学習塾とはどうあるべきか、親は子へどのような接し方が”理想・現実”であるのか、ここにはすべて塾長の本音を記していきます。 そして今、老年期を迎え、「楽しく生きること」への模索を綴ってます。

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