不登校 ゲームが救った病み

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不登校となったきっかけは、クラスメートとの不仲が原因であり、学校に行けなくなったというよりも行かなくなった(積極的不登校)に近いケースかもしれません。

小学5年くらいから高1まで塾には通ってきましたが、入塾時は普通に学校には通っており、中学1年くらいから不登校になりました。 不登校になった最大の原因・理由でもあり、もっとも救われたことにもなりますが、典型的なゲーマーなのです。 

学校へ行けばそこは現実社会ですから、いろいろと面倒なことはあるわけですが、ゲームの世界では対戦相手がいても、あくまでもネット上の仮想空間の出会いであり、面倒なことになればブロックしてしまえば済むことなのです。 また、ゲーム相手は年齢の上の人たちも多く、地域も違い、現実社会とは違ったコミュニティーに属することになり、そんなに孤独な世界に住んでいるような感覚もなく、普通に考えれば”不健全”なように感じますが、彼らにはそういう意識は全くないようなのです。 ゲームの中に住んでしまえば、居心地は良さそうなことです。 

ゲームの世界でも世界大会などがあり、それも大勢の人たちが集まり、対面で勝負する”世界”のようになってきたそうです。 一つだけ確かなことは・・これまでなら引き籠って病んでしまうところが、外(現実世界)へ出なくとも、”健全”に生きられる道ができたと考えれば、歓迎できることでもあります。 ゲーム・SNS・ユーチューブなどの出現で、多くの引き籠りを救ったことにもなり、また、引き籠りを増やした要因にもなってますね。

不登校 自宅学習生のコスト

ここでの不登校はを積極的不登校、自宅学習生とします。 小学生から高校卒業するまで間、どのように過ごすかが問題なのです。 大学へ進学したいならば大検をとればOKなのですから、大検をとるまでの過程をどうするか?ですね。 (ちなみに、大検は資格を取らせるための検定試験ですから、よほど学力が低くない限りは誰でも取れます) 

私(塾長)などは幼稚園を中退したくらいで、その間、両親は仕事へ出てましたから、私は犬とだけ会話してたわけですが、小学校は何とか通い、中学もそこそこで、高校は休んでばかりでしたが、親父には厳しくされました。 高校を休みだした際は、「学校は行かなくてもよいが、ワシが決めたことは必ずやれ!」と言われ、シェークピア(の現代語訳版)を片っ端から読まされ、全訳しろ!と言われたこともありますが、英語で要約しろ!と言われ、1週間に一度提出日が設けられ、翌日の朝には赤インクで添削され、そこには重要と思われる文法・構文などが書き記されてました。 短編小説とか、比較文化論なども片っ端から(英語で)読まされ、数学は母親からとか、兄と姉が上に4人いましたら、家族みんなが私の家庭教師でした。 大学など行く気がない私を家族による”プロジェクトチーム”が築かれ、親父お気に入りの大学へ放り込まれた次第です。

私事が長くなりましたが、自宅学習生を大学まで入れるのにどれだけの”コストと手間”がかかったか!ということです。 家族の理解がないと成り立ちませんが、家庭教師を雇ったり、塾に通わせたり、低く見積もっても月に10万くらいはかかるでしょう。 家庭への金銭的負担だけでなく、精神的負担も半端ないものです。

ゲームに夢中な少年の写真

スマホの功罪

スマホの役割について・・スマホの功罪と言ってもよいでしょう。 学校に行けない子、行かない子にどれだけ貢献してきたか!計り知れないものがあります。 SNS、ユーチューブ、様々なネットへのアクセス、ゲームなど、本来であれば学校で過ごす時間の空きをスマホが埋め合わせてきました。 何もやることのない状況から子供たちを救ったことになり、本来であれば病むところを、少なくとも精神的健康を維持してきたことに貢献してます。 ゲームなどのネット世界では、対戦する相手がおり、所属できるコミュニティーも存在します。 学校に行かなくとも、居場所はしっかりあるわけです。 ですから、引き籠りの子には、スマホだけは与えるようにしましょう、最後の砦、逃げ込み場所になります。 とはいえ、”逃げ込み場所”と思っているのは我々・大人の側の人間であり、彼ら引き籠りの子にとっては”主戦場”と認識してる可能性大なのです。 

引き籠りの良くないところは、外に出歩くことが格段に減ることから、健康に悪影響があることは確かです。 平日の昼間に中学生がうろうろしていれば、職質を受けることとなり、何してるんだ?ということになります。 ですから、出歩けるのは、夕方以降か早朝に限られます。 中学生であれば、建前的には”義務教育”となってますから、義務を怠ってることにもなり、警察としてはそれなりの対応をせざるおえません。 また、人対人の対面での関りが少なく、ある種の”免疫”が付かいことも危惧されます。 

タッチパネルの指の操作だけで、膨大な知識量を得られますが、それらはあくまでも知識であり、自ら触ったり嗅いだり聴いたりしたわけではなく、スマホ画面から得た視覚情報であり、イヤホンから聴こえるデジタル化された音に過ぎないわけです。 実体験を伴わずして”実体”を得られたような”勘違い”も起こってきます。 例えば、ゴッホの絵画があるわけですが、スマホでいくらでも観ることはできますが、実物を見る機会はほとんどありません。 デジタル画像で見るゴッホと実物で見るゴッホはまるで別物なのです。 これは絵画の話ですが、全てがデジタル化した情報で得てるわけで、実体は知らないままになります。 デジタル化された薄っぺらな情報ばかりを大量に入力し、それら多くを知ったような錯覚に陥ってしまうことの恐ろしさ・愚かさを感じるのは私だけでしょうか。 現代とは、そういうものでしょうか。

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ゲームが救ったと思われる実例

近年、立命館アジア太平洋大学に合格した男子生徒がいます。 小学3年生の時、塾に尋ねてきて、5年生時から不登校になりました。不登校になった理由は学友との不仲が引き金になってます(些細な喧嘩が原因です)。この些細な喧嘩がなくても、小学高学年時でいつかは不登校になっていただろう・・と思われます。 精神的に内在していたものか、後天的要因によるものか、判断は難しいですが、この時期を境にして”うつ状態”に陥ったことは確かです。 ”うつ状態”の典型的症状でもある「朝起きられない」から「学校へは行けない」状況が生まれます。 ご両親としては、学校へ通うことが難しいのなら、塾だけは続けさせようと考えたのでしょう、これまでより、回数を増やして来塾するようになりました。

区立中学に進学し、なんとか通えるように・・と工夫はしましたが、やっぱり欠席が続き、不登校状態になりました。 高校からは通信制教育で知られるN校へ進み、大分県にある立命館アジア太平洋大学へ進学しました。大学を無事卒業できるか?はこれからの課題でもあり分かりませんが・・

ところで、この男子生徒を例に挙げたのは・・たぶん、ゲームにハマっていたから病むこともなく、大学進学まで来れたと思われるからです。 塾に来ない時間は一日中ゲームばかりをしてるわけです。ゲームの中には「対戦するゲーム」も多く在り、ネット上の様々な年齢の対戦相手といろいろと話す機会もあります。バーチャルとは言え、”孤独”ではないのです(女子の不登校生であれば、SNSが同様の役割を果たすかもしれません。)普通なら、病んでしまうところを、ゲームが病みから救ってくれたのかもしないと考えます、孤独を回避できるわけですから。

私(塾長)としては、ゲームよりは漫画やアニメを勧めてます。漫画やアニメは共感力を高め、語彙力もつくと考えているからです。 我々大人感覚からすれば、ゲームは”消費文化”であり、時間の無駄じゃないか?と考えがちですが、ゲームをすることで救われる子もいることは事実なのです。

<参考リンク> 

精神疾患のある子供へのサポート

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投稿者:

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個人経営で個別指導塾 塾長を50年続けてきました。 駅前で大手がひしめく中、運営してくことの難しさと個人経営であるが故の多様な在り方を実践してこれたことへの自負とがあります。 学習塾とはどうあるべきか、親は子へどのような接し方が”理想・現実”であるのか、ここにはすべて塾長の本音を記していきます。 そして今、老年期を迎え、「楽しく生きること」への模索を綴ってます。

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