[ 子育て相談箱 ] モノ作りが好きで、受験には興味がない

モノ作りが好きで受験に興味がない子供を育てるということは、実は「未来を生み出す力を持った子供を育てる」ことに他なりません。受験勉強にフォーカスすることも大切ですが、何かを「作り出す力」こそがこれからの時代を生き抜くための本質的な力です。ここでは、私の50年にわたる教育経験を基に、他のブログではあまり語られないような独自の視点から、モノ作りを愛する子供の才能を伸ばすためのアプローチをご紹介します。

  1. 「失敗を恐れない心」を育てる

モノ作りには失敗がつきものです。ここで重要なのは、「失敗=悪いこと」と考えないこと。失敗を通してこそ、真の学びや成長が生まれます。ある生徒は、初めて作ったロボットがうまく動かず、何度も修正を繰り返しました。その経験が彼の「粘り強さ」と「問題解決力」を育て、その後の人生で大きな力になったのです。受験の点数だけでは得られない、この「チャレンジ精神」こそがモノ作りの本質です。

独自視点: 日本の教育は往々にして「完璧さ」を求めがちですが、モノ作りを通して「不完全さ」を愛する心を育てることができます。それは、未来の創造に不可欠な「柔軟な思考」や「探求心」を養う絶好の機会です。

  1. 「問題発見力」を磨く

学校の勉強では、問題がすでに用意されていますが、モノ作りでは「自分で問題を見つける力」が求められます。例えば、子供が「もっと速く動く車を作りたい」と感じるとき、それは既存の問題に対する新たな解決策を見つけ出すための第一歩です。受験が「正解」を求めるのに対し、モノ作りは「新しい問い」を生み出す場です。

独自視点: 子供が自分から「こうしたい」「もっと良くするには?」と問いを持ったとき、親はそれをサポートするだけでなく、共に探求する姿勢を見せることが大切です。大人が一緒に悩み、考える姿を見せることで、子供は「自分も挑戦していいんだ」と感じるようになります。

  1. 「つながり」を意識した学びを提供する

モノ作りは一見「個人の活動」に思えるかもしれませんが、実は「他者とのつながり」が非常に重要です。自分が作ったものを誰かに使ってもらうことで、初めてその作品が「生きたもの」になります。かつての生徒が作った手作りの椅子を地域の高齢者施設に寄付したとき、彼は初めて「自分の作るものが人の役に立つ」という喜びを知りました。

独自視点: 親として、子供の作品を家庭だけでなく、地域や社会で活用できる場を提供することは、子供の視野を広げ、より大きな目的意識を持たせるチャンスになります。こうした経験が、ただのモノ作りではなく「人と人をつなぐ力」を育てるのです。

  1. 「無駄」を楽しむ力を教える

効率が重視される現代社会において、「無駄に思える時間や活動」は非常に価値があります。例えば、子供が何時間もかけて作ったものが全く使い物にならなかったとしても、その過程で得た経験やアイデアは、次のプロジェクトに必ず活きてきます。私の教え子の中には、何度も失敗を繰り返した経験が後の発明のきっかけとなった子もいました。

独自視点: 子供の「無駄なこと」に見える活動を否定せず、「そこから何を学んだ?」と問いかけてみてください。それこそが、創造性を伸ばす最良の方法であり、子供自身が「学ぶことの本当の楽しさ」を見つけるきっかけとなるのです。

  1. 「物語性」を持たせる

モノ作りは単なる作業ではなく、「物語を紡ぐ」行為です。何かを作る過程には、その子供自身のストーリーが刻まれます。かつて、ある生徒が壊れたおもちゃを修理し続けた結果、親の会社の工場で働く職人さんたちと交流するようになり、その後、ものづくりを仕事にする夢を持つようになりました。モノ作りを通して得られる経験は、その子供の人生そのものに深く刻まれるのです。

独自視点: 親御さんは、子供が作った作品に対して「どうしてこれを作ろうと思ったの?」と問いかけてみてください。その答えの中に、その子自身の小さな物語があり、それを見つけ出すことで、子供は自分の人生に「意味」を感じられるようになるでしょう。

まとめ

モノ作りが好きで受験に興味がない子供を育てることは、一般的な教育の枠から外れるかもしれませんが、その中には「子供自身が未来を創造する力」が眠っています。私たち大人は、その小さな芽を潰すことなく、丁寧に育てる役割を持っています。子供の手が動き、心が動き、そして新しい何かが生まれる瞬間を共に楽しむことで、子供は「自分だけの道」を見つけ、歩んでいくことができるのです。

その道は、受験という一本道だけではなく、多様な分岐がある豊かな人生の旅路なのです。

ーーーーーー 別の考え方も紹介 ーーーーーーーーーーー

1. 興味を尊重し、好奇心を育む

子供がモノ作りに興味を持っていることを尊重し、その好奇心を伸ばしてあげることが第一です。受験に興味がないことを心配するよりも、モノ作りがどれだけ価値ある学びの機会であるかを理解しましょう。モノ作りは、創造力、問題解決能力、集中力を高める優れた活動です。

解決策: 家庭で小さな「モノ作りプロジェクト」をサポートしてみてください。例えば、DIYキットやロボット製作キットなどを一緒に取り組むことで、子供の好奇心をさらに引き出し、プロジェクトの達成感を味わわせることができます。

2. 実社会とのリンクを見せる

モノ作りに興味がある子供には、実社会でどのようにそのスキルが役立つかを具体的に見せることが大切です。デザイン、エンジニアリング、クラフト、さらには芸術の分野で、モノ作りがいかに必要不可欠なスキルかを伝えることで、子供の学びが将来に繋がることを理解させることができます。

解決策: 地元の工房や職人の仕事場、デザインスタジオを訪れる機会を作ると良いでしょう。実際にモノ作りを職業としている人々に触れることで、子供の視野が広がり、自分の興味がどう活かせるかを具体的にイメージできるようになります。

3. 学びとモノ作りを結びつける

モノ作りを通じて学びの興味を引き出すことができます。例えば、数学や科学の知識がモノ作りにどのように応用されているかを実際のプロジェクトで見せることで、受験勉強の意味が理解しやすくなります。学びが実生活や趣味に結びつくと、子供の学習意欲も高まります。

解決策: モノ作りに関連するテーマで学ぶことを提案しましょう。例えば、建築に興味があれば、幾何学や物理の知識を使って簡単な模型を作るなど、実践的な学びを提供することで、学びへの興味が自然と湧いてくるかもしれません。

4. 自己肯定感を高める

モノ作りは、何かを完成させる達成感を通じて自己肯定感を育てるのに役立ちます。子供が自分の作ったものを誇りに思える場を作り、その過程で得られるスキルを肯定的に評価することが重要です。受験に対する興味が薄くても、モノ作りを通じた成功体験が、自信を育む基盤になります。

解決策: 子供の作ったものを展示したり、家族で褒め合う時間を設けたりしましょう。また、友人や家族の前で発表する場を作り、作品について話すことで、自己表現の機会を増やし、成長を感じさせることができます。

5. 受験以外の進路を探る

受験勉強に無理に向かわせるのではなく、モノ作りを活かせる進路を探るのも一つの選択肢です。職業教育や専門学校では、実際に手を動かしながら学べるカリキュラムがあり、モノ作りに興味がある子供にとって魅力的な選択肢となり得ます。

解決策: 高校や専門学校でモノ作りに特化したカリキュラムを持つ学校をリサーチし、子供と一緒に見学に行ってみましょう。職業体験やオープンキャンパスなどの機会を利用し、実際にその場で何が学べるかを体験させることで、子供が自分の進路について前向きに考えられるようになります。

6. 将来を共に考える

親としては、子供の将来について不安があるかもしれませんが、モノ作りが好きな子供にとっても可能性は無限です。親子で対話を重ね、将来についてオープンに話し合うことで、受験のプレッシャーを軽減し、子供が自分らしい進路を見つけやすくなります。

解決策: 親子で定期的に「将来を話す日」を作り、子供が何に興味を持ち、どんな将来を描いているかを共有する時間を持つことが大切です。子供の言葉を尊重しながら、親の知識や経験を提供し、柔軟に進路を探っていくことが良いサポートになります。

まとめ

モノ作りが好きで、受験には興味がない子供を育てることは、一般的な教育の枠を超えた柔軟なアプローチが求められます。子供の興味を尊重し、学びと実践を結びつけ、自己肯定感を育てることで、将来に向けての可能性が広がります。親子で一緒に進路を考え、子供の個性を最大限に活かす道を探ることが、成功の秘訣となるでしょう。

小学生の子供を持つ親御様へ

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:

スポーツクラブに所属、習い事で、勉強する時間も体力もない子供もいます。

父親の影響もあって、サッカーにしか興味がありません

サッカークラブに属し、勉強時間がない

生徒会などには積極的だが、肝心の勉強が疎かになる

モノ作りが好きで、受験には興味がない

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個人経営で個別指導塾 塾長を50年続けてきました。 駅前で大手がひしめく中、運営してくことの難しさと個人経営であるが故の多様な在り方を実践してこれたことへの自負とがあります。 学習塾とはどうあるべきか、親は子へどのような接し方が”理想・現実”であるのか、ここにはすべて塾長の本音を記していきます。 そして今、老年期を迎え、「楽しく生きること」への模索を綴ってます。

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