[ 子育て相談箱 ] 宿題をやらない、忘れ物が多い、朝起きられない

「宿題をやらない」「忘れ物が多い」「朝起きられない」といった問題は成長過程において一時的もしくは継続的にみられることで、時間がたてば自ら解決されることもあり、なかなか治らない問題としていつまでも続くこともあります。 親御さんとしては心配や不安を感じることがあるかもしれませんが、これらの問題は成長の一環として自然な現象であることを理解し、子どもの発達段階や生活環境をふまえた対応が大切です。 また、それぞれの問題に対して、親御さんがどう対処できるかを具体的に書き記していきます。

1. 宿題をやらない問題について

「お子さんが宿題をやらないことは、多くの親御さんにとって共通の悩みですが、その背景にはさまざまな理由が隠れています。たとえば、子どもが学校から帰ってきた後、疲れが溜まっているために集中力が持続しない、宿題の内容が難しくて理解できない、あるいは時間管理が苦手で後回しにしてしまうなどが考えられます。親としてまず心がけたいのは、『なぜ宿題をやらないのか』をしっかり理解することです。

たとえば、帰宅後すぐに宿題をさせようとするのではなく、まずはリラックスする時間を設けてあげることが大切です。10分ほど休憩してから宿題に取り組むようにすると、子どもの気持ちも落ち着いて取り組みやすくなります。また、宿題が難しすぎる場合は一緒に内容を確認し、少しでも理解の手助けをしてあげることで、『できる』という成功体験を感じさせることができます。

何より大切なのは、宿題をやること自体が目的ではなく、『学びの習慣をつけること』が最終的な目標であるということです。小さな成功を積み重ねることで、子どもは『やればできる』という自信を持ち、学習に対する意欲も高まります。親御さんとしても、焦らずに温かく見守りながら、子どもが成長していく姿を応援してあげてください。

2. 忘れ物が多い問題について

忘れ物に対するサポートは、子どもが成長していく中での大切な一環です。例えば、親御さん自身も忙しい朝に「つい、家の鍵を忘れてしまった経験」があるかもしれません。そんな時、周りから責められるのではなく、「次回は鍵を玄関の見える場所に置いておこう」といった改善策を考えますよね。同じように、子どもも「忘れたこと」を責められると、次第に意欲を失ってしまいます。

だからこそ、「どうやって忘れ物を減らしていくか」を一緒に考える姿勢が大切です。たとえば、毎晩寝る前に「明日の準備をする時間」を親子で持つ習慣を作ると良いでしょう。また、子どもが楽しみながら取り組めるように、持ち物チェックリストをイラストやシールで工夫してみるのも効果的です。親御さんも一緒に確認することで、「準備することの大切さ」を伝えられ、自然と子どもの自己管理力を育むことができます。このようにして、親御さん自身への生活習慣を考え直してみる機会にもなるわけですね。

3. 朝起きられない問題について

「子どもが朝起きられない原因の一つには、成長期特有の体内リズムの乱れが挙げられます。特に現代の子どもたちは、スマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイス(ゲームなど)を夜遅くまで使用することが増えており、その結果、眠りの質が低下し、朝起きづらくなっている可能性があります。

例えば、私たち大人も休日に夜更かしをした翌朝、なかなか起きられない経験があると思います。それと同じように、子どもたちも日々の生活の中で夜更かしを繰り返すと、体内時計が乱れ、朝の目覚めが難しくなってしまいます。

無理に起こそうとすると、お互いにストレスがたまってしまいますので、まずは生活リズムを少しずつ整えていくことが大切です。例えば、夜の時間を『リラックスタイム』として親子で共有することを提案します。寝る前にお茶を飲んで一緒に会話をしたり、簡単なストレッチを行ったりすることで、リラックスした状態に導くことができます。また、寝る30分前にはスマホやテレビの画面から離れ、ゆっくりとした音楽を聴いたり、読書を楽しんだりすることで、自然と眠りに入りやすくなるでしょう。

さらに、朝は無理やり起こすのではなく、少しずつ『朝の準備』を意識して進めることも効果的です。例えば、朝食の準備を一緒にするなど、子どもが起きることを楽しみにできるような工夫を取り入れてみると、次第に朝の目覚めがスムーズになっていくはずです。

まとめとして・・

「問題が発生したとき、子どもを責めるのではなく、その背後にある要因に目を向け、共感する姿勢を持つことが非常に重要です。たとえば、学校で友達とトラブルがあった場合、すぐに「なぜそんなことをしたの?」と問い詰めるのではなく、「何があったのか?、どんな気持ちだったのか?」を一緒に考えてあげることで、子どもは安心して自分の気持ちを表現できるようになります。こうした共感を示すことで、子どもは自分の感情を理解し、自ら問題を解決する力を身につけていきます。

また、親としては子どもの課題を「問題」としてだけ捉えるのではなく、成長のための大切な「ステップ」として前向きに受け止めることが大切です。たとえば、テストで失敗したとき、ただ叱るのではなく、「次にどのように勉強すればよいか」を一緒に考えることで、子どもは自身の課題を乗り越える力を育てていきます。このプロセスを通して、子どもは困難を乗り越えるための工夫や努力を自然と身につけていくのです。

さらに、おじいちゃんおばあちゃんが同居している場合、彼らの経験やアドバイスを取り入れることも大いに役立ちます。ただし、孫への愛情が強いあまり、甘やかしてしまうこともありますので、適切な距離感を保ちながら関わることが大切です。たとえば、何か困ったことがあったときに、おじいちゃんおばあちゃんがすぐに手を差し伸べるのではなく、まず子ども自身が考える時間を持たせることで、自立心を育むことができます。こうして、親、祖父母、子どもが協力して成長のステップを乗り越えていくことが、家族全体の絆を深め、子どもの長期的な成長につながるのです。」

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個人経営で個別指導塾 塾長を50年続けてきました。 駅前で大手がひしめく中、運営してくことの難しさと個人経営であるが故の多様な在り方を実践してこれたことへの自負とがあります。 学習塾とはどうあるべきか、親は子へどのような接し方が”理想・現実”であるのか、ここにはすべて塾長の本音を記していきます。 そして今、老年期を迎え、「楽しく生きること」への模索を綴ってます。

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