「悩み 子育て」反発することばかりで、親の言うことを聞こうとしない

「反発することばかりで、親の言うことを聞こうとしない」という悩みは、思春期の子どもを持つ親にとって、非常に多く見られる問題です。この時期の子どもたちは、自分のアイデンティティや独立心を模索し、親の言葉に対して強い抵抗を感じることがよくあります。塾長として、こうした子どもと親へのアドバイスを提供する際には、共感を持ち、双方の立場に立ったアプローチが求められます。

1. 子どもの立場を理解する

まず最初に、反発的な態度の背景には、子どもが自己主張を通じて自分自身を確立しようとしている過程があることを理解することが重要です。子どもは成長する過程で、自分自身の価値観や考えを形成し、親の期待や指示に対して疑問を持つことが自然な反応です。親としては、これを「反抗」と捉えずに、子どもが自分自身を見つけようとしていると捉えることが大切です。

2. 親の役割は「指導者」から「サポーター」へ

子どもが成長するにつれ、親の役割も変わっていきます。小さい頃は親が指導者として子どもの行動をコントロールすることが求められていましたが、思春期に入ると、親は「サポーター」の立場に移行するべきです。親が一方的に指示や命令をすると、子どもはさらに反発しがちです。子どもが自ら選択肢を考え、行動することをサポートし、その結果に対してフィードバックを提供する姿勢が重要です。

3. 子どもと対話する

反発する子どもに対して、感情的に接することは避けましょう。親は冷静でいることが大切です。子どもの気持ちを尊重し、話を聞く姿勢を見せることで、子どもも自分の思いや考えを伝えやすくなります。反発的な態度の背景には、子どもが不安や不満を抱えていることが多いので、親はまずその感情に寄り添い、対話を通じて理解を深める努力をしましょう。

対話をする際のポイントは、批判的にならず、共感の姿勢で接することです。たとえば、子どもが何かに対して不満を述べた場合、「どうしてそんな風に感じるの?」と問いかけ、子どもが自分の気持ちを言語化する手助けをしましょう。また、親の意見を押し付けずに、「あなたがそう感じるのも理解できる。でも、私はこう思うんだけど、どう思う?」と、双方の考えを尊重した対話を心がけます。

4. 信頼関係の再構築

親と子どもとの信頼関係が崩れている場合、反発的な態度が顕著に現れます。これを改善するためには、子どもに対して信頼を示すことが必要です。親が子どもを信頼していることを伝え、任せる部分を増やすことで、子どもも親への信頼を少しずつ回復させていきます。たとえば、子どもの自主的な決定を尊重し、小さな成功体験を積ませることで、親子の関係は改善されやすくなります。

5. 親自身の感情をコントロールする

親もまた、反発されることに対して強いストレスや不安を感じることがあります。しかし、感情的に反応してしまうと、事態は悪化しがちです。親は自分の感情をコントロールし、冷静に子どもに向き合うことが求められます。自分自身の感情に気づき、それを適切に処理するために、親もリラックスできる時間を持つことや、信頼できる人に相談することが大切です。

6. 「ルール」を共有する

親子の間でルールを共有することも、反発を軽減する一つの方法です。家庭内でのルールや期待について、明確に話し合い、双方が納得した上で決めることで、子どもは「理不尽な命令」と感じにくくなります。たとえば、「宿題をやらないといけない」というルールに対して、「宿題をしない理由は何か?」を子どもと話し合い、その上でルールを決めると、子どもも納得しやすくなります。

7. 小さな成功体験を積ませる

子どもが何かに対して反発する背景には、自己効力感の低さが影響していることがあります。つまり、自分がうまくやれる自信がないために、親の言うことに反発してしまうのです。このような場合、親は子どもに小さな成功体験を積ませることが重要です。小さな目標を設定し、それを達成する喜びを味わわせることで、子どもは自己効力感を高め、親のアドバイスにも耳を傾けやすくなります。

8. 専門家のサポートを活用する

最後に、親と子どもの関係がどうしても改善しない場合や、問題が深刻化している場合は、専門家のサポートを検討することも重要です。家庭内の問題を第三者が客観的に見ることで、新たな解決策が見つかることがあります。カウンセラーや心理士のサポートを受けることで、親も子どもも安心して対話ができる環境を整えることができます。

まとめ

「反発することばかりで、親の言うことを聞こうとしない」という状況は、思春期の子どもを持つ家庭ではよく見られるものです。しかし、これを親子の関係を再構築するチャンスと捉え、親はサポーターとして子どもを尊重し、対話を通じて信頼関係を深めることが求められます。また、親自身も冷静であることを心がけ、小さな成功体験や専門家のサポートを活用することで、反発的な態度は少しずつ改善されるでしょう。

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個人経営で個別指導塾 塾長を50年続けてきました。 駅前で大手がひしめく中、運営してくことの難しさと個人経営であるが故の多様な在り方を実践してこれたことへの自負とがあります。 学習塾とはどうあるべきか、親は子へどのような接し方が”理想・現実”であるのか、ここにはすべて塾長の本音を記していきます。 そして今、老年期を迎え、「楽しく生きること」への模索を綴ってます。

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