「悩み 子育て」計算は得意ですが、文章題が苦手です

「計算は得意ですが、文章題が苦手です」という質問に対して、塾長が親御さんや生徒に分かりやすく説明する際の具体例を交えて記述します。


計算と文章題の違いを理解しよう

まず、計算が得意であることは素晴らしい基礎力ですが、文章題が苦手だということは珍しいことではありません。計算問題は数字や公式に従って解くだけですが、文章題はその前に「文章を理解し、必要な情報を取り出し、適切な計算に落とし込む」という段階があるため、思考のプロセスが複雑です。この違いを理解しておくことが重要です。

たとえば、以下のような計算問題が出たとします。

計算問題:
「2×3+5÷1=?」

これは明確に数字が与えられ、そのまま計算すれば答えが出てきます。このような問題に強いお子さんは、公式や計算手順を忠実に実行する能力が優れている証拠です。

一方、文章題では数字だけでなく、状況や条件をしっかり理解してから、どの計算をするべきかを自分で考える必要があります。

文章題の例:
「3個入りのリンゴの袋が2袋あります。また、リンゴ1個の値段は100円です。すべてのリンゴを買ったときの合計金額はいくらですか?」

この問題では、「リンゴが全部で何個あるか?」をまず考え、さらに「リンゴ1個あたりの値段を掛ける」という2段階の思考が必要になります。この過程で、文章中の条件やヒントを見落とすと正しい計算ができません。

文章題に対する具体的なアプローチ

では、どうすれば文章題を克服できるのか。以下に、いくつかの具体的なステップを紹介します。

1. 問題の「文章部分」に注目する練習をする

文章題を解くための最初のステップは、問題文全体をしっかりと読むことです。ただ数字を探すのではなく、文章全体を理解する意識を持つことが重要です。例えば、「誰が何をしているのか」「何を求めるのか」「どの条件が与えられているのか」を把握することが第一歩です。

具体例:
「ある農場には5羽のアヒルがいて、3羽は水の中、残りは地面にいます。地面にいるアヒルの数はいくつですか?」

この問題では、「3羽は水の中」という情報と「残りは地面にいる」という条件を読み取ることが必要です。ここで「残り」という言葉に注意が向かないと、何を計算すればよいのかが分からなくなります。

2. キーワードを見つけ、問題を整理する

文章題には必ず、解決に必要な情報が隠されています。お子さんがそれを見つけるスキルを伸ばすために、問題の中から「必要な情報」と「不要な情報」を区別する練習が大切です。数字だけでなく、「合計」「残り」「倍」などのキーワードにも注目するよう指導すると効果的です。

具体例:
「リンゴが3個入りの袋が4袋あります。さらに、1袋にはみかんが2個入っています。リンゴとみかんを合わせた個数を求めなさい。」

この問題では、「リンゴの個数」と「みかんの個数」を別々に計算する必要があります。ここで「合わせて」という言葉が出てきたら、最終的にそれぞれを足し合わせることが求められていると判断できます。

3. 図や表にしてみる

文章題の情報を視覚的に整理するのも有効です。お子さんが問題を読み解く際に、図や表、簡単な絵を描いてみると、頭の中での整理が進みやすくなります。特に、物の数や距離、時間などを考えるときに有効です。

具体例:
「2人が同じ地点から出発して、Aさんは時速5キロメートル、Bさんは時速7キロメートルで歩いています。2時間後に2人の距離は何キロメートル離れているでしょうか?」

この問題を図で表現してみると、AさんとBさんの進む速度が異なること、2時間という時間が与えられていることが明確に理解でき、2人の進んだ距離をそれぞれ計算して差を求めるという手順がわかりやすくなります。

4. 実生活の例を使う

お子さんが文章題を身近に感じるために、実生活の例を使って説明するのも効果的です。お買い物の際に合計金額を計算する、旅行のスケジュールを立てる、ゲームの得点を計算するなど、日常生活で計算が必要な場面を意識して使うことが、文章題を理解する助けになります。

具体例:
「5人でピザを注文しました。ピザ1枚は8等分されています。全員が2枚ずつ食べるとすると、全部で何枚のピザが必要ですか?」

この問題を解くためには、まず1人が食べるピザの合計枚数を考え、次に5人分を掛け算で計算します。食べる場面を想像しやすくすることで、文章題に対する抵抗感が減ることが期待できます。

5. まずは簡単な問題から始める

文章題が苦手なお子さんには、いきなり難しい問題に挑戦させるよりも、まずはシンプルな問題から始め、少しずつ複雑な問題へステップアップさせると良いです。成功体験を積み重ねることで自信をつけさせ、徐々に複雑な問題にも対応できるようになります。

具体例:
「3個のリンゴを買いました。リンゴ1個は100円です。すべてのリンゴを買ったときの合計金額はいくらですか?」

このようなシンプルな文章題からスタートし、少しずつ情報が増えていく問題にチャレンジさせることで、自然にステップアップできます。

6. 時間をかけて問題に取り組む

文章題は一度で理解できなくても問題ありません。何度も読み返し、じっくり考えることが大切です。焦らずに考える時間をしっかりと確保し、無理に急がせないようにしましょう。また、答えを急がせるのではなく、どのように考えたかを聞くことで、思考の過程を大事にする習慣を身に付けることができます。


まとめ

計算が得意なお子さんが文章題に苦手意識を持つのは、考えるプロセスが異なるためです。文章題では、文章を読解し、必要な情報を整理し、それを計算に落とし込む能力が必要です。この力を伸ばすために、まず文章をよく読む習慣をつけ、キーワードを見つける練習や、視覚的な方法で整理する手法を取り入れることが有効です。

親御さんもお子さんと一緒に文章題に取り組み、成功体験を積ませながら、徐々に難易度を上げていくことで、お子さんの自信と理解力を伸ばしていくことができるでしょう。

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個人経営で個別指導塾 塾長を50年続けてきました。 駅前で大手がひしめく中、運営してくことの難しさと個人経営であるが故の多様な在り方を実践してこれたことへの自負とがあります。 学習塾とはどうあるべきか、親は子へどのような接し方が”理想・現実”であるのか、ここにはすべて塾長の本音を記していきます。 そして今、老年期を迎え、「楽しく生きること」への模索を綴ってます。

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