グラビアとアート作品・写真の違い

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*厳密にはその差はない

*単に流行であれば、消費文化

*”媚び”の入っている写真を見るのは恥ずかしい

*商業目的の写真はレベルが高い

*写真家のジレンマ

*上手くとれても、敢えて撮らない

*厳密にはその差はない 

商業的にもてはやされる画像をグラビアとよんでます。 被写体はアイドルであったり、人気俳優であったりしますが。 厳密に言えば「グラビアとアート作品」の違いは存在しません。 グラビでありながら、立派なアート作品と思われる画像はいくらでも存在するからです。

ここに載せてる写真は、北京のクラシックカー・ショールームでの撮影ですが、商業目的でもあり、グラビアといえないこともなく、作品撮りにもなってますね。 ここで撮った画像データはすべて現地企業に残してきましたから、何がどう利用されたかは定かではありません。

 

*単に流行であれば、消費文化

インスタなどでも溢れているアイドル画像や自撮り写真などは、単にコミュのツールとして載せられているだけで、明日になれば忘れられていく類のものであり、それこそは消費文化と言えます。 中にはセンスの良い画像が上がってくることもあり、才能がありそうだな・・と思わせる写真家も見かけます。

*”媚び”の入っている写真を見るのは恥ずかしい

これは、個人の美意識であり価値観なので一概には言えませんが、媚びた写真は見たくないですね。 モデルが盛んに可愛さを装っているとか、撮っている写真家がその媚びた笑顔ばかりにフォーカスしてるとか、そういった類の写真はいただけません。 スマホの普及もあって、この類の写真をプライベートで載せている人たちは世界中にいますが、あたかも”作品”として載せているのはこの国だけみたいです。

*商業目的の写真はレベルが高い

商業目的の写真はプロの手によるもので、レベルが高い。 その写真を見れば、購買力が高まるという”くくり”のある写真ですから、製品の価値をアピールする必要性があります。 

*写真家のジレンマ

商業目的の写真とアート画像とは顕かに違います。 商業目的であれば、クライアントの要望に応える必要があり、上手であることが必須となりますから、写真家はキャリアを積めばその腕をどんどん上げていくことになります。 作品撮り(アート写真)だけで経済的自立ができる写真家はほとんど存在しませんから、商業写真をとりながらアート写真も撮り続けていくことになるのですが、”上手さに染まってしまう”と、美の本質から離れてしまうことが起きてきます・・・これを、写真家のジレンマとも言えますね。 素晴らしい才能を有した写真家が”潰れていく”のを見てきましたからね、EUなどで。 いったん、手を染めてしまうと抜けられないのです、ドラッグの世界と一緒ですかね。

*上手くとれても、敢えて撮らない

上手く撮れても、そこは敢えて、上手く撮らない”胆力”が必要です。 絵画の世界なら理解しやすいかもしれませんが、上手く描けても、そこは敢えて上手く描かないことの難しさはあります。 要は、上手い写真とか絵はいくらでも存在し、本質をとらえた作品のみを求めているのです。

撮影前にライティングのテスト繰り返しますが、ここに光を入れたやると上手そうな写真に見えるだろうなぁ・・と思えることが多々あります。 それでも、そこで踏みとどまることはけっこう難しいことなのです。

グラビアとアート作品としての写真は、どちらもビジュアルメディアでありながら、その目的やアプローチ、表現方法において大きな違いがある。グラビアは主に商業的な目的で制作されることが多く、特定のテーマや商品、あるいは人の魅力を引き立てることに焦点を当てる。一方、アート作品としての写真は、作者の個人的なビジョンやメッセージを伝えることを目的とし、観客に深い思索や感情を促す表現手段として機能する。以下、それぞれの違いを詳しく述べる。

目的の違い

グラビア写真の主な目的は、モデルや被写体を魅力的に見せることであり、しばしば雑誌やカタログ、広告などで使用される。このジャンルでは、商業的な意図が強く、読者や消費者に対して魅力を最大限に引き出すことが求められる。特に、モデルの美しさやスタイルが中心となるため、身体のラインや表情が強調され、セクシーさや健康的なイメージが重要視される。

これに対し、アート写真は商業的な利益を追求することよりも、創造性や個人的な表現を追求することが目的である。アーティストは自身の内面的なビジョンや社会的なメッセージ、あるいは抽象的なコンセプトを写真を通じて伝えようとする。観客に対して美的な満足感だけでなく、何らかの問いかけや感情の揺さぶりを与えることが多い。

表現方法の違い

グラビア写真は、ビジュアルの美しさと洗練されたスタイルに重点を置く。光の使い方、衣装、メイクアップ、ロケーションなどがすべて計算されており、一般的に非常にプロフェッショナルで完璧な外観を求める。目的は、モデルや商品を最高の状態で見せることであるため、技術的にも高度で、撮影者はその目標を達成するためにあらゆる手法を駆使する。

一方、アート写真は必ずしも完璧さを追求しない。むしろ、不完全さや予期しない要素が作品の一部として取り入れられることがある。写真家は光や影、動き、不均衡さを意図的に利用し、独自の視点を表現する。結果として、観客はただ「美しい」だけではなく、より深い意味や感情を写真の中に見出すことが期待される。

被写体の役割

グラビア写真におけるモデルや被写体は、しばしばアイコン的な役割を果たす。彼らは消費者に対して特定のイメージやスタイルを提供し、その魅力によって商品やブランドを引き立てる役割を担う。モデルは、その見た目が主要な要素であり、ポージングや表情が極めて重要となる。被写体は「商品」としての側面が強く、全体的にコントロールされた美的な演出が求められる。

アート写真では、被写体は単なるオブジェクト以上の存在となる。被写体は、写真家が表現したいテーマや感情を体現する手段として機能し、しばしば象徴的な役割を持つ。被写体が人間である場合、その人間性や内面的な側面が強調されることが多く、単に外見の美しさにとどまらない深い意味合いを持つことがある。アーティストは被写体を通じて社会的な問題や個人的な探求を視覚化し、観客に新たな視点を提供する。

観客への影響と解釈

グラビア写真の主なターゲットは、商業的な観点から見た消費者である。そのため、観客は写真を見て特定の商品やスタイルに対して関心を抱くことが期待される。観客は直感的に美しさを感じ取り、何らかの購入行動や関心の向上が促される。

一方、アート写真は観客に対して複雑な感情や思考を引き起こすことを目的とする。写真は単なる視覚的な刺激にとどまらず、観客に新たな見方や世界観を提示する手段として機能する。観客は写真を見て、自身の経験や感情と結びつけながら、作品の意味を深く解釈し、内省を促されることが多い。

グラビア写真とアート写真は、その目的、表現方法、被写体の役割、そして観客への影響において大きく異なる。グラビアは商業的な魅力を追求し、特定のイメージや商品を引き立てることを目的とするのに対し、アート写真は個人の創造性やメッセージを伝える手段として機能する。両者は異なるフィールドでありながら、それぞれが独自の美学と価値を持ち、視覚的な芸術の豊かさを形成している。

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投稿者:

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個人経営で個別指導塾 塾長を50年続けてきました。 駅前で大手がひしめく中、運営してくことの難しさと個人経営であるが故の多様な在り方を実践してこれたことへの自負とがあります。 学習塾とはどうあるべきか、親は子へどのような接し方が”理想・現実”であるのか、ここにはすべて塾長の本音を記していきます。 そして今、老年期を迎え、「楽しく生きること」への模索を綴ってます。

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