「叱り方」というのは親にとって非常に難しいテーマですが、塾長独自の視点で、親御さんが日常で実践できる効果的な叱り方をお伝えします。
1. 叱ることは「教える」ことである
まず覚えておいてほしいのは、叱ることは罰ではなく、子どもに何かを「教える」ための手段です。ある生徒が宿題を忘れたときに、私は彼に「宿題をやらないことで、君が失っているものは何だろう?」と問いかけました。最初は戸惑っていましたが、次第に自分の行動が将来の学びや自分自身への評価にどう影響するのかを理解し始めました。叱る際には、子どもに「なぜそれが問題なのか」を自分で考えさせることが成長につながります。
2. 子どもの目線で考える
叱る際には子どもの視点を理解することが重要です。ある時、ある男の子が「どうしてもお片付けができない」と言いました。叱る前に話を聞いてみると、「どこから手をつけたらいいかわからない」という理由でした。その瞬間、私は「子どもにとっても課題が大きく見えてしまうことがあるんだ」と感じました。そこで、「今日はおもちゃだけ片付けてみよう」と段階的な目標を提案しました。結果、彼は達成感を味わい、その後も自発的に片付けをするようになりました。叱る前に、子どもが抱える「壁」を理解することが大切です。
3. 成長に繋がる「失敗」の価値を伝える
叱るという行為は、成功への道しるべでもあります。私は、ある生徒がテストで思うような点数を取れなかった時に、彼を叱る代わりに「失敗したからこそ見えるものがある」と伝えました。その結果、彼は自分の間違いを冷静に分析し、次回のテストでは高得点を取りました。「失敗することは成長の一部である」ということを教えるために叱ることも、時には必要です。
4. 「叱り」と「導き」のバランスを取る
叱ることと同時に、子どもが成長するための道を示すことが大切です。ある女の子が他の子どもとトラブルを起こした時、私は彼女に「相手の立場に立ってみると、どんな気持ちだろう?」と質問しました。叱るだけでなく、相手の視点を考えさせることで、自然と反省し、自ら謝る姿勢を見せてくれました。
5. 親子関係を深める「フォローアップ」
叱った後のフォローが、親子関係を築く大きな鍵です。叱った後で「さっきのことはもう終わりにしよう。でも一緒にどうしたら次はもっと上手くできるか考えよう」と話しかけると、子どもは「叱られること=愛されていない」ではないことを感じるようになります。これは非常に効果的です。なぜなら、子どもは「自分は親に見放されていない」という安心感を持てるからです。
6. 適度なユーモアを忘れない
時に厳しさの中にもユーモアを取り入れると、子どもは安心感を覚えます。例えば、子どもが何度も同じ失敗をした時、「おやおや、また同じことかい?私も昔はそうだったよ」と笑顔で話すことで、子どもは「完璧でなくてもいい」と思えるようになります。叱ることは深刻である必要はなく、時には優しさや笑顔も混ぜてください。
7. 成長を喜ぶ姿勢を持つ
叱ることばかりではなく、子どもの成長をしっかり喜ぶことが大切です。以前、勉強に全く興味を示さなかった子が、たった10分でも机に向かった時、「今日はすごいね!」と褒めました。すると、彼は次の日から15分、20分と自分から時間を増やし始めました。子どもは認められると、自ら進んで行動を変えようとします。
8. 叱りを通じて信頼関係を深める
叱ることは親子の信頼関係を深める絶好の機会でもあります。「あなたが大事だから、私はこうして伝えたい」と言葉をかけることで、子どもは叱られることを「愛情の一部」として受け入れることができるのです。
結論
「叱る」という行為は、子どもの行動をただ矯正するだけのものではありません。それは、親子の信頼関係を深め、子どもの将来を導く大切な「教育」の一環です。感情に流されず、子どもと共に歩む気持ちで、成長をサポートしていくことが何よりも大切なのです。どうか、子どもの未来を共に見据えながら、その一瞬一瞬を大切にしていただきたいと思います。
小学生の子供を持つ親御様へ
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