
アートの感性とファッションの視点で、輝きを届けるブランド『Glisten』。厳選した上質なマテリアルから、華やかでスタイリッシュな逸品へ。新たな美学の世界観を。
「夜明け前のコンビニ」
私は週に四回、深夜のコンビニで働いている。シフトは午後十一時から午前六時まで。仕事終わりに店の裏口でタバコを一本吸い、それからアパートに帰ってシャワーを浴び、昼前に眠る。このルーティンを繰り返して、もう五年が経った。
「お弁当、温めますか?」 「袋はご利用になりますか?」
決まりきったフレーズを繰り返し、バーコードをスキャンし、レジの引き出しからお釣りを取り出す。たまに「ありがとう」と言われることはあるが、それ以上の会話はない。深夜のコンビニには、酔っ払い、夜勤明けの警備員、受験勉強に疲れた高校生、訳あり風の女がやってくる。皆、同じように無言で商品を選び、無表情でレジを通り過ぎていく。
私もまた、その一人に過ぎない。
大学を出てから、私はずっと定職に就いていない。アルバイトを転々としながら、その日暮らしを続けている。親には「そろそろちゃんとした仕事を探したら?」と言われるが、就職活動の気力は湧かない。働きたくないわけじゃない。ただ、「何かになりたい」という意欲が、どうしても湧かないのだ。
この年になると、周囲の人間は皆、人生の次のステップに進んでいく。結婚し、子供を産み、家を買い、キャリアを築いていく。SNSを開けば、幸せそうな写真が並ぶ。友達の近況報告に「いいね」を押しながら、私は今日もコンビニのレジを打っている。
ある夜、一人の男性客が来た。私と同じくらいの年齢だろうか。無造作に伸ばした髪に、くたびれたパーカー。レジにカップラーメンと缶ビールを置いた彼は、何かを言いかけて、やめた。
「すみません、やっぱり、これ……」
そう言って、彼は缶ビールを棚に戻しに行った。私は何も言わず、ラーメンのバーコードをスキャンする。レジの機械音が、店内に静かに響いた。
彼が帰ったあと、私はぼんやりと考えた。もしかしたら、彼も私と同じように、ただ何となく日々をやり過ごしているのかもしれない。生きる意味を見いだせず、ただ、無言で夜のコンビニにやってくる。
私はコンビニの店内を見回す。蛍光灯の光に照らされた棚、規則的に並ぶ弁当、無機質なレジカウンター。何もかもが整っていて、何もかもが空虚だ。
午前五時を過ぎると、新聞配達のバイクの音が聞こえ始める。夜が明ける。店のガラス越しに、空がゆっくりと白んでいくのが見えた。
私の人生にも、こんなふうに静かに夜が明ける日が来るのだろうか。
タバコに火をつけながら、私はそう思った。

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