私はポーズを教えない。その人が自分になる瞬間を待つ。

人物写真では、ポーズを細かく指示することが少なくない。しかし私は、できるだけ教えないようにしている。人は指示されるほど、自分らしさを失ってしまうことがあるからだ。会話を重ね、同じ時間を過ごし、緊張がほどけたとき、人はふと本来の自分に戻る。その何気ない仕草や眼差しには、演出では生まれない美しさが宿っている。私が待っているのは「正しいポーズ」ではない。その人が飾ることをやめ、自分自身としてそこに立つ、かけがえのない一瞬なのである。

私は、このモデルさんにポーズを指示した覚えはない。それでも、モデルは素晴らしいポーズを創り、素晴らしい作品となって(私の期待に)応えている。

投稿者:

xs136481

私は東京生まれ、東京育ち、写真家。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です