
シャッターを切るたびに、私は一枚の写真を「作っている」という感覚はあまりない。むしろ、その人の人生のほんの一片を、一時的に預からせてもらっているように感じている。そこには、その日だけの表情があり、その瞬間にしか存在しない空気がある。同じ写真は二度と撮れない。それは、人生そのものが二度と繰り返されないからだ。写真家の役目は、美しい瞬間を奪うことではなく、その人が歩んできた時間への敬意を忘れず、一瞬という名の記憶を静かに未来へ手渡すことだと、私は信じている。
私が写真を始めたのは2010年のことである。それからわずか5年後、2016年には「世界の7人展 WORLD PHOTO EXPO 2016 in Istanbul」への出展という大きな機会をいただいた。出展作品は6点。その中で、彼女を撮影した作品が2点選ばれたことは、私にとって大きな意味を持つ出来事であった。
彼女は体育会系の精神を持ち、身体表現に対してとても自然で潔い感性の持ち主だった。ヌードという表現に対しても過度な意識や抵抗を見せることなく、自分自身の身体を一つの表現として受け入れていた。 その姿勢に触れたことで、私は単なる「美しい形」を追うのではなく、女性の身体が持つ生命感や存在感、その人だけが持つ美しさを純粋に見つめる眼差しを養うことができたと思っている。 写真家として成長するための大切な時間を与えてくれた彼女に、心から感謝を伝えたい。