「はい、ニコっとして。」私はその言葉を、使ったことがない。

笑顔を求めれば、人は笑ってくれる。しかし、それはカメラに向けた笑顔であって、その人自身の心から生まれた表情とは限らない。私は「笑ってください」とお願いするよりも、自然に笑みがこぼれる時間を大切にしたい。何気ない会話の中で生まれる微笑み、ふと遠くを見つめる眼差し、静かな安堵の表情。そのどれもが、その人だけの真実である。写真家の仕事は笑顔を作ることではなく、笑顔が生まれる空気を育てることだと、私は思っている。

10年近くに渡って、このモデルさんを撮ってきました。 アーティスト・モデルとして最も優れた一人であると思っている。

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私は東京生まれ、東京育ち、写真家。

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